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RGN#2

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コンピュータ・ゲームのデザインと物語についての研究会
http://www.glocom.jp/event/modules/eguide/event.php?eid=3
2006/06/03 Glocomにて。

以下リアルタイムで中田が書いていたメモ。ぜんぜんまとまってないので後でまとめるつもりですがツッコミは大歓迎。

お題「ゲームの定義を再検討する」

なぜ、ゲームの定義の再検証なのか / 井上.

研究者向け:単語に対する一定のコンセンサスを作る
開発者/消費者向け:「ゲームとは何か」に対する見方の整理

Rule / Unwritten Rule
=> 文化的要素なども含む

遊び(Play)とゲーム(Game)

ゲームという広大な領域をけしたり統合したりするための土台となりうる

ゲームの定義を再検討する.

ノミック.

http://www.earlham.edu/~peters/nomic.htm
ルールを自己再定義していくゲーム。

ミニマムノミック.

http://www.jaist.ac.jp/~m-hatake/bre.htm#nomic
ルールの自己再定義部分だけに初期ルールを絞ったバリアント。
初期条件が提示されていないなど、ゲームとしての体裁すら整っていない。

書記しようとしてみたが破綻.

伊藤  102変更:会場の過半数でルールを可決する
長   追加:ターンは30秒以内
hally  パスをした場合次の手版のプレイヤーが10点を得る
中嶋  ×一度にひとつ以上提案できる
dot.  提案が可決されたら20点獲得

井上  102変更:目分量でOK 20p
伊藤  ×50点で勝利
長   パスをすると10点減る 20p
hally  2回続けて提案が否決されたら失格 20p
中嶋  点数を得るのは提案者
dot. -10p
井上  30p 55分の発言者は敗者となる 50p
伊藤  ×会場から笑い声で可決
長   55分の基準時計を決めた 50p
hally 
中嶋  
dot. -20p
井上 70p 思いつかなかったから自分の点数を-5してオーディエンス提案
伊藤 20 0点以上50点以下のプレイヤーに+40点 60p
長:90p hally:80p 中嶋:80p dot.:-20p 井上:70p
長 85p→中田-10p
hally 80p

理解力のフライホイールたるゲーム / 伊藤悠.

プランナー

人類の三大欲求を売る.

仮説を立てそれを実践しその有効性を確認する過程を売る.

例:STGの弾避け、CRPGの戦闘、アクションゲームの行動

なぜそれを買う?.

理解したいという欲求
解発行動
 犬が棒を取ってくる
 ムクドリが棒をつつく
 猫がネズミにスニーク&アタック
  猫の行動の変化 猫がネズミを殺すが食べない→猫がネズミを捕まえるが殺さない→猫がネズミを追うが捕まえない→無反応
  「空腹→食べたい→ネズミを捕らえる」というシステムではないのではないか?
  もっと単純なトリガーの連鎖「うろちょろしているから捕らえる」「もがいているから殺す」「死んでいて(お腹がすいているから)食べる」

人は
 「理解する」
人間の行動・生業は多様
 →だから色々なものに対処したい=理解

理解したいという欲求
欲求=需要=市場 => プランナーとしては「理解を売る」
仮説を立てそれを実践しその有効性を確認する過程を売る

どう売るか.

いかに巧みに理解されていく構造を組むか

CRPGのリソースマネージメント.

回復アイテム、経験値、お金、敵の数、経験値効率?、敵の残HP、etc.
「モンスターの階段」押井守,1990
「ゲート付階段」:ボスで死んどけ ざるの会,1992

数値の強さが報酬? → NO!
 プレイヤーを次の段階に蹴り出すための調整機構である

売れるもの=「人間にちょっと考え込ませてわかるぐらいのしろもの」.

制作側側でも理解ぎりぎりかも?>あやうい商売
…かもしれないがまあ根性、やりがいがある

ディスカッション.

hally:ゲームの起源を考えたい
シミュレーターはゲームかどうか疑わしい、と思っている。

中嶋:話をコンピュータゲームに限っては?
hally:コンピュータゲームと非Cゲームの境界問題が浮上するだけ。
そもそもコンピューターゲームというドメインに本当に限る必要があるのか?

中嶋&長 コンピュータゲームの定義

dotimpact:
コンピュータゲーム=不完全情報ゲーム
脱衣麻雀→実在するルールを模しているが、コンピュータがルール(乱数等)に介入しているゲーム

中嶋:GMが存在すれば非Cゲームでも不完全情報ゲームは可能

中田:「なぜノミックで『全員で勝つ』提案」が行われないのか
伊藤憲二:Situated Play => ゲームプレイ自体が目的で、勝つことが目的ではないから。
伊藤:「全員勝つ」では全員等価な勝利のゼロサムゲームになってしまう。
ゼロサムなのは「人間がやっている」から意識される事実だろう

伊藤憲二:
 Juulの定義に対して「ゲーム行動」を唱えるなら、代案として、それを前提とした定義まで踏み込んで欲しかった。
 ゲームの歴史を研究するなら、ゲームの定義はするべきでない(状況論的アプローチが必要)
 Situated Play:プレイされるシチュエーションにゲーム行動は支配される。ゲーム行動をシチュエーションから切り離すことは困難。
 Juulの興味はカジュアルゲームに向かっている→まさしくSituatedな状況が対象

hally:
 Juulの提示した静的なものとしてではなく、動的なものとしてゲームを見るべきだ、という方向性を提示することはできたが、もう一歩までは確かに踏み込めなかった。

伊藤憲二:
 シミュレータをゲーム的に遊んでいた人々がいた、という事実だけ示せば歴史としてはそれでよい
井上:
 定義にこだわる必要はない。
hally:
 シミュレータで「遊んでいた」人が「ゲームをしていた」というのは後付けで「コンピュータゲーム」という領域が認識されたから可能な言及であるのでは?
中嶋:
 「とりあえずこのへん」でいいのでは? とにかく数を集めて「このへんがゲーム」と言えればいい。
hally:
 Juulはまさしくそのへんをやったのではないか。集めてそこからまとめたのだろう。
中嶋:
 全部集まっているライブラリを作ればいいのでは?
田中:
 ボーダーラインケースを集めていく、という方法は有用ではないのか?
 
「面白い」「面白くない」をゲームの判断に入れてしまっているという混乱があるのでは?

人間がそもそも解発行動(=ゲーム)をやるために最適化しようと進化してきた生き物なので、
ゲームをすると面白いと思ってしまうという構造的問題がある。

伊藤:
 人間が「楽しい」と思うことは解発行動(=ゲーム)的に適応した行動である可能性がある。

「楽しいもの」を「ゲーム」であると定義したがる人がいる。

社会調査結果として楽しみと苦しみの関係がある。

新:
 人間にとっての「面白い」の定義があいまいなので、「ゲーム」についての議論において「面白い」を切り離そうという試みがJuulの試みだったのでは
中嶋:
 だったらこの議論自体時期尚早では?

hally:
 認知論的アプローチを持ち出せば「ゲーム」の枠が広がることになるだろうが、古典的ゲームがゲームの枠からはじきだされることはないだろう。

長:
 現状は「ゲームらしいゲーム」の衰退、ボーダーラインケースへの拡散という傾向があると思う。
 学習という面白さが減っている。ルールを把握していく課程が重要で、それが成立するなら既に見切られたゲームでも十分ゲームとしての価値を持つだろう。「攻略されつくしたからゲームでなくなる」は承服しかねる。
hally:
 「目の前のペットボトルを取る」なども本質的にはゲーム的な行動であるはずだが、われわれは熟練しすぎていてそれをゲームと思わない。(3歳児にとってはゲーム、困難な取り方を要求されればゲーム)

MMORPGなどに顕著だが、ルールが消費される傾向というのがあるのではないのか?

伊藤:
 MMORPGではUOがほとんどの「消費されやすいゲーム」を消費しつくしてしまった。
 戦闘成長システムは何度でも繰り返し可能な強みがある。
 耐久力のあるシステムこそがゲームデザインとしては生き残る。ex. CRPG、2D/3D格闘など

井上:
 まとめ。
 なにかを「ゲームとしてみなす」とはどういうことか、そのための道具立ては? その行為に価値はあるのか? という問題点が見えた、と思う。


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