「さて、いよいよ今回は……」
「……やってられっかっての」
「はい?」
「だからそれどころじゃないっての」
「いったい、なにがですか」
「今更ギャルだのエロだの騒いでゲームの企画書なんて作ってられるかっ! とにかくこれを持てっ!」
「こ、これはプレステのコントローラ、ですよね」
「五月蠅い! 四の五の抜かすな!」
バキッ! ベキッ! ドガシャッ!
「わかったな?」
「は、はいぃぃ」
そして、数時間
「先輩、いったいこのソフトはッ!」
「……」
「せ、先輩っ!?」
振り向いたその視界の中には、誰もない。ただ一枚の置き手紙があるのみ。
「こ、これは!」
”今の貴様になら、俺の気持ちが分かるはずだ。
漢としてッ、ゲーマーとしてッ、俺にはやらねばならんことがあるのだッ!
従ってッ! 俺は選択するッ! 今回のサルゲーなど無視無視無視ィィィ!”}
「せ、先輩……そ、それはただの無責任……ッスけど……俺も、俺も、 漢としてッ、先輩を見習うッスよ!」
……と、いうような出来事があったかどうかは定かでない。
だが、似たような出来事を引き起こしてしまったゲームは確かにあった。
そのゲームの名を、 ガンパレード・マーチという。
jes 本文の筆者。GPMに関しては「語る術なし、為す術なし!」と蒼天航路に毒された台詞を吐くのが趣味。Sランク取得後もプレイし続け…もう何回目?
TRY サルゲーの後輩のモデル。つーか本人。GPMは未だSランクならず。世界を敵に廻しても好きだと言えるゲームはYsII。ホントにゲーム会社勤務。
雪ちゃん サルゲーの(以下略)。忙しい中ようやくSランクを取るも、現在GPM封印中。芝村舞をこよなく愛しているが…それは既に俺のもんだっつーの。
jes:…話が変な方向に飛びすぎる前に、準備体操は終わりにしますか(笑)
TRY:ちっ…、ツマらん
jes:ノガミまでテクるぜ?
TRY:チンコロテッカリやでェ〜!(*1)
jes:各自勝手なテーマを持ちよって、語るっちゅー形式でしたな(説明口調)
ほんじゃま、どれから始めますかね?
TRY:キャラ!
雪:……んでは、まぁ、速水(*2)か舞(*3)の話ってあたりですかね。
jes:速水っていうとあれだな、外道(笑)
TRY:かな?
雪:カッコイイけどなぁ、2周目の司令は
jes:つーか、2周目で「俺は今までこんな奴を操ってたのかー!?」と驚く(笑)
TRY:声がつきますしね
雪:一周目だと「ぽややん」な人
TRY:「ぽややん」(笑)
jes:ところが2周目は「芝村厚志(*4)」なんだもん(笑)
よく見れば、芝村モードのときはいきなり技能増えてるしさー、「殺意の波動に目覚めた厚志」と呼ぶ人もおったよ
雪:一周目でも、舞の恋人になった速水は、そんな感じだったのかもしれんけど。あと、色々と公式のBBSでは裏設定も出てるらしいですな。ようけ知らんけど。
jes:色々あるらしいですなー。
TRY:公開されてなきゃ、知る術もありませんねぇ。
TRY:まぁ、裏設定なんて、あとでシナリオに矛盾がでないよーにする補助みたいなモノだから、あえてPLが知る必要もないかと(笑)
雪:つーか、速水はいかにもPCですよね。「特別な力があるわけでも勇者でもない」って紹介の通り。ぽややんで、色んな人に好かれて、でも好きな奴の為に頑張って何時の間にかスーパーマンになってシナリオ?の問題を解決する、或いはその手助けをする。エロゲーとかギャルゲーの主人公だわな。二周目って、葵ちゃんシナリオ(*5)の浩之ちゃん
TRY:そうですね
jes:1周目は…舞シナリオの祐一(*6)?(笑)
雪:その舞は、どの舞(*7)?
jes:えーと……ってその聞き方既に重症やん(笑)
雪:……ともかく、「葵ちゃんは強い、葵ちゃんは正しい!」だから頑張って絢爛舞踏(*8)になれ! 応援するでと。性格とかはわけわかだけど、舞の恋人やってるときの役割とか行動はエロゲーの主人公だよな。
TRY:あ、ストーリーによって主人公がそれに順応する…と
jes:たしかにエロゲーの主人公かもなあ(笑) 「食料」か「戦術」をやらされるときとか、特に。
雪:舞と切り離したら、「ぽややん」で正体不明の人物だけどさ。
TRY:どっちかっていうと、尻にしかれてるかんじが…(苦笑)
雪:でも最終的なイニシアチブは速水の側にあって、舞を完全にコントロールして遊んでるよな(笑)
jes:あぁ、そうかも。
TRY:じゃなきゃゲームにならんのでは(笑)
jes:身も蓋もない言い方を(笑)
TRY:すんませんねぇ(苦笑)
雪:速水は意識的にPCらしいPCとして作られてるんやね。
TRY:うん。なんといっても特徴が乏しい。性格づけからして狙ってる。
jes:逆に舞ってゆーのが、PCを誘導するNPCとして作られてるってゆー。そのせいで拒否感を覚える人も少なくないんじゃないかね?
TRY:彼女にそれを覚えるなら、全員に対してそうなっちゃうんじゃ?
雪:ラフィール(*9)にアレな人の中にはむーとか思う人もいるみたいやけど。
jes:ラフィールは俺の敵です(断言) あいつのせいで俺の部下がーッ!!(涙)
雪:(無視して)舞は、真っ直ぐだよなぁ
TRY:まっすぐが故に、オヤジに遊ばれてる。時計の電池も替えられない(笑)
雪:真っ直ぐなそこが可愛いね。だから変な知識植え付けて遊ぼういうオヤジの気持ちは分かるが――オヤジ、ヤな奴だよな
TRY:オチャメかも(爆)
jes:いやー、普通そういう遊びせえへんか? 俺、甥っ子に試してるで(笑)
TRY:いや、見ず知らずの子供には(笑)
雪:いや、あんないい子があんなオヤジに遊ばれてるのはなんか我慢ならん(笑)
雪:羨まし…、もとい、犯罪じゃよ
jes:嫉妬か?(笑)
TRY:遊ばれてる…(むふふ)
jes:そこ、変なもーそーしないよーに(笑)
TRY:いえ、そんなことないですじょ?(ぷるぷる)
雪:変なもーそーしてるのは、jesさんですよ〜
TRY:そーそー
雪:や〜らし〜
TRY:ね〜
jes:…… 殺すぞ貴様ら
雪:まぁ、なんにせよ、製作者に利用されてるキャラだよね
jes:そういう意味でも親父に遊ばれてますな(笑)
TRY:…製作者のなにがし、ですね
雪:さっきの速水もそうだけど、製作者に与えられた役割を肯定する為の性格付けや設定がされてるよね。
jes:「HERO」に関しての知識を持ってるとか
雪:なんでそういう知識があるのか、なんでそういう行動をとるのか。製作者がそう設定したからっていうメタ的なものをゲーム内の設定にそのまま反映するとするならさ、綾波とかガンダムの強化人間みたく、そのように「作られたもの」とすることも出来たわけだよな。でもそうしないで、オヤジが素直な娘をそう教育したっていうのは、上手いですよ。
jes:遺伝子いじって作られた、という意味じゃ強化人間とかと一緒かも(笑)
TRY:そうなんですか?
jes:ええと、『竜(*10)』と戦うイベントってのがあって、その前に『竜』が「今まで遺伝子操作された子供達と戦って」云々言うんやけど、実は5121小隊(*11)(だけじゃないけど)の人間は、遺伝子操作で作られたってゆー設定があるそーなんですわ。
jes:その中でも、(確か)舞だけは「一から遺伝子を設計された」人間だとかー
TRY:まさしく、作られたってか。
jes:他のキャラは、元の遺伝子を少しいじった程度らしいけどな。
雪:そこ、メタ的な話をするとAIの設計がどうこうっていうのに置き換えられると思うんだけどね。
jes:そうやね(笑) 他のキャラはモデルとなる人間がいたけど、舞だけは設定から何から設計者自ら生み出したってゆー意味合い、ですかね。
雪:まぁ、話を戻して。広義でいえばオヤジの教育もマインドコントロールだけど、そこに人の温もりを感じさせるっていうのは、作られたキャラであっても一個の人格として可愛がってるっていうアレが感じられてええね。
ともあれ、結果として舞ってキャラは、真っ直ぐだけど、オヤジ(製作者)に変な知識や思想を注入された変な奴で、それがなんかすげえ可愛い、と(笑)
TRY:う〜ん、いいようにPLが遊ばれてる(苦笑)
雪:一言で言うと、「気が強くて世間を知らない、だけど根は純粋な可愛いお姫様」…って一言じゃないや(笑)
TRY:うむ、可愛さの要素は揃ってるなぁ。
jes:「心の気高い王子様」じゃあ駄目ですか?(笑) 役割的にはアンシー(*12)なんだけど。
雪:アンシーは邪悪よ。
jes:はたから見れば、芝村は悪だぜ?(笑) PLの中には、「舞を芝村から抜けさせよう!」って思う人もいるそーだしな。
TRY:彼女は「芝村」だからこそ彼女なんだと思うけど。
雪:相手と自分が違うことを知って、その「違い」を認められれば、同じ芝村になる必要なんてないねんけどね。
そこら辺、気付かないと、自分が「芝村」になるか、舞に「芝村」を止めさせるかしないと同等になれんと思っちゃうのな。
(*1) 「ノガミまでテクるぜ?」&「チンコロテッカリやでェ〜!」
ただの挨拶代りです。ただの。(笑)
(*2) 「速水厚志」
性格が「ぽややんな人」。GPMファーストプレイ、別名「スタート・マーチ」でのプレイヤーキャラ。そのせいか、多くのPLにとっては色々と思い入れがあるキャラのようで…
(*3) 「芝村舞」
天才で何でも出来ちゃうヒーロー。「やっぱ天才にはかなわへんねやろかぁー」別名「人類決戦存在製造機」。既PLは未PLに対し「芝村とは仲良くならないほうがいいでしょう」とゆー助言を与える始末。
(*4) 「芝村厚志」
2周目以降、PCからNPCになった厚志君と仲良くし過ぎるといきなり豹変してしまうのですが…。その時の彼を「芝村になった」という意味でこう呼ぶことにしております。
(*5) 葵ちゃんシナリオの浩之ちゃん
出典は「 To Heart」。素人なのに格闘技のコーチをやったり、「葵ちゃんは強い!」と励ましたりしてた浩之ちゃん(主人公)のこと。
(*6) 「舞シナリオの祐一」
出典は「Kanon」。「何か」と戦っているヒロインを見て、素人のくせにつられて剣術の訓練を始めてしまった祐一(主人公)のこと。
(*7) その舞は、どの舞?
この場合、''Kanon''(Key/Visual Arts)の舞のこと。
つーか、舞という名は エロorギャルゲー的どっかで聞いたよーな名前だからな!
(*8) 「絢爛舞踏」
GPMにて敵を300撃破すると貰える「絢爛舞踏章」という勲章、ないしはそれを貰った人のことを指します。人間と人外とを分ける大きな区切りでもあります。
(*9) 「ラフィール」
「星界の紋章」&「星界の戦旗」という作品のヒロイン。世間知らずかつ大仰な言い回しをするとこが人気らしいです。PS版のゲームでは強制イベントで仲間を死なせ、空いたポジションに無理矢理入ってくる死神。(笑)
(*10) 「竜」
ゲーム中の言葉を借りるなら、こういうこと(笑)
「フフフフ…私がこのゲームのラスボスです。カマンカマン!!」
(*11) 「5121小隊」
PCが所属する部隊の名前です。学徒兵22名+教官2名+教師1名+猫一匹といった構成になっております。
(*12) 「アンシー」
「少女革命ウテナ」のヒロイン。ボケキャラかと思いきや、時折見せる冷静なツッコミが素晴らしい。
雪:しかしこれって座談会のテーマタイトルっぽいな
jes:一つくらいまともなのがあってもええやろ(笑)
雪:ま、それはともかく、俺は面白かったですよ〜
jes:うん、俺も面白かったっす
TRY:同じく
jes:んでは、面白かったって結論で、次
雪&TRY: ちょっと待てェ!
jes:いや、冗談、冗談よ(汗) では、具体的にどこが面白かったか、てコトで。
雪:俺はね、まずはさっき話したメタ的な部分のゲームへの落とし方。オープニングの「それが世界の選択である(*13)」からニヤニヤしてた。あとは絶望的な戦争に少年少女が駆り出されて…っていうシチュエーションとか、SFな世界設定とか、戦闘とか、萌えとか。
TRY:俺はですねー、単純に「育成&戦術シミュレーション」の部分かな〜。あと、「隊の運営」てのも、斬新で面白かった。光栄なんかのじゃ、あんなのは楽しめないからなぁ
jes:ってーか、「三国志」+「アンジェリーク」が、GPMみたいな感じになるんじゃあねえのか?(爆)
TRY:かも(笑)
雪:(ボソリと)……みつめてナイト
jes:ぎゃはははははははははッ!!(ご覧の通りの大爆笑)
TRY:あと、特筆すべきは戦闘。
jes:危険・手動モード(*14)のこと?
TRY:いや、もっと単純なコトですよ。バトルテック(*15)の難解な部分を全部コンピュータがやってくれるっていうか。手軽にバトルテックが楽しめる。そんなカンジ?
あとは、ストーリーにも絡む部分だけど、遊んでるうちにコツがわかってくるとことか。新しい戦法を見つけた時の爽快感っていったら、もぅ! 戦法を見つけるって意味では降下作戦(*16)とか、本編にもウマく関わるし恐れ入りました。接近戦があんなに重要で効果的だったなんて、あのイベントが無きゃ、多分見逃してた。
雪:戦闘システム単体で、キャンペーンSLGやっても面白かっただろうね。
TRY:あーゆーネットゲーが出ないかな、とマジに考えました
雪:せめて対人戦がやりたい。
TRY:そうそう! 危険・手動の「コンビネーション(*17)」とかね。
あと、もう一つのメインである「学園編」で、仲良くなると技能(だっけ?)がもらえるっての。
jes:戦闘動作(*18)や提案コマンド(*19)が貰えますね。あと、一緒に訓練すると技能(*20)も貰えたりする。
TRY:で、3周目とかになってくると、絢爛舞踏を目指して初めに戦闘時有利なコマンドくれるヤツに積極的に近づいたりする。つまりは、キャラクターは技能をくれるだけのモノ、ってとらえるようになったんです。…そこでハタと気づいたんです。これって、自分が現実世界でやってるコトと一緒だ。常に、相手の持つ何らかの「技能」目当てで他人に接触する自分と…って。
jes:おおう。
TRY:背筋が凍りましたね。いつのまにか仮想空間で、現実と一緒の行動してた…てコトで、「同調できた」てのよりも先に、恐怖みたいなのを感じました。
雪:GPMのゲーム世界の現実世界の再現性に感嘆するよりも恐怖を感じるというのは、実に面白いですな。
TRY:…ヘン、ですよね(苦笑)
jes:いや、変じゃないと思うよ?
雪:むしろ、恐怖を感じるってのは真っ当ですわ。
TRY:…今までコレほどシンクロさせられたのも、そうないんで。なおさら…。これも「いろんなコトができる」システムが生み出した副産物、なのかと。
(*13) 「それが世界の選択である」
GPMを始めると出てくる謎の言葉。作品の中でもたびたび使用されている言葉だったり。どういう意味なのかは自分の目で見る必要があります。(笑)
(*14) 「危険・手動モード」
GPMでは「安全・自動」か「危険・手動」の二つの戦い方が出来ます。前者は1ターン一回行動という初心者向けの操作で、後者はターン開始前に「コマンドワード」と呼ばれる単語を組み合わせ、ターンが開始されるとその組み合わせ通りに行動するという上級者向けの操作です。ただ、「危険・手動」じゃないと出来ない行動が多いため、誰もが後者のほうを多用することが多いです。
(*15) バトルテック
巨大ロボットを動かして戦うゲーム。色々な種類が出ておりますが、この話で出たのはボードゲーム版のことです。
(*16) 降下作戦
悪名高いイベント戦闘の一つです。もう一つのイベント戦闘である「熊本城攻防戦」と並び、幾多のPLを地獄に叩きこんだのですが…。慣れてしまうと逆にあっさりクリアできるので、GPMへの習熟度をはかるために使用されることも多いです。
(*17) コンビネーション
「コマンドワード」は「歩く」だと「GFG」、「走る」だと「GFFG」という風に数文字のアルファベットで構成されているのですが、「歩く+走る」だと「GFGFFG」というように、重なった文字を短縮できます。これを「コンビネーション」と呼び、誰しも愛着のある「コンビネーション」を幾つか持っていたりします。
(*18) 戦闘動作
前述の「危険・手動モード」時に使用出来るコマンドワードのこと。誰でも最初から全ての動作を使用出来るわけではなく、NPCと仲良くなることによって習得出来るようになっています。
(*19) 提案コマンド
NPCとのコミュニケーションをはかる時に使うコマンドのこと。使うときに「発言力」をコマンドごとに所定の値消費することで、相手と親密になったり、自分のためにNPCを動かしたり出来るようになります。PCだけが使えるものではなく、逆にNPCから「提案」されることも多いです。
(*20) 技能
GPMでは、ある判定に有利な修正を貰えたり、資格や免許として効果を発揮する。技能のレベルは「3」まであり、勿論高ければ高いほど有利な修正が大きくなります。
TRY:じゃ、最後、jesさん。どうぞ〜
jes:んー、俺がどこを面白いと思ったかとゆーと…
『行動』と、それにともなう『リアクション』ですかね? てよりは、『行動』によって導かれた『リアクション』ですか、それが面白かったです。すっげえ抽象的な話だけど。
TRY:ケンカイベントとか?
jes:そういうのも含めて。PLが行動できる範囲内で起こる、全てのこと。「戦闘」でさ、真面目に仕事してたりすると修正つくやん?
TRY:ええ
jes:そーゆーとことか、後はアレだ、危険・手動モードだとすっげえことできるやん? 自分一人で敵を全滅させたり。学園モードでもさ、自分の行動が周りに影響を与えたり、逆に誰かの行動によって、自分が影響されるってことがあったりするしね。改めて言おうとすると上手く言えないんだけど(苦笑)
雪:前も言ったけど、打てば響くってことですな
jes:そうやね、一言で言うならそれ。
TRY:そーそー。挙げ句の果てに自分に返って来たり(笑)
jes:選択肢を選ぶ形式のゲームだと、行動も結果も受身だと感じるんだよな。そう感じるのが正しいのかどうかはさておき、選択肢を選ぶゲームって、同じ行動の結果はいつも同じで。でも、いつも結果が同じじゃつまんねえわけで(断言)
TRY:まぁ、飽きが来ますね。
jes:結果が同じになるのには、いくつか理由があるだろうけどさ。PLにとってNPCが都合がいいように作られてるからっつーのが原因のひとつかと。「この選択肢を選ぶと、このキャラの好感度はアップします」みたいな?
かといって、NPCの反応がランダムでも面白くはねえっつーか、ゲームにならねー。でも、GPMは上手くバランスとっているなあ、と。
TRY:相互に影響を及ぼし合ってる、てコトで、NPCの多彩な反応も合点がいくし
jes:追加で言うなら、NPCが都合よくないことに苛立つPLが理解できんな俺。
「(NPCのくせに)何でこんな行動を取るんだろう?」って疑問に思ったりするのって、逆に俺は疑問に思う。
TRY:だから、ゲーマーはリアルでのコミュニケーションが苦手?
雪:疑問に思うのはいいんじゃない? そこで思考停止しなければ。
jes:疑問に思うだけならともかく、それを「バグ?」とか「理解できない」で終わらせちまうのはゲームをつまんなくしてるわ。そこで思考停止しちまうよーな奴は、提案コマンドを文字通りの解釈しかしてないから、不測の事態に対応できんのな。
「悪い噂を流す」コマンドなんか無くても、意図的に誰かの、他の誰かへの好感度を下げることだって出来るのにねえ…。 NPCのとった行動が、不測の事態の『答え』になってるって、なんでわからないんだー!(カミーユ風)
TRY:そーいう日常でアタリマエのことも、「ゲーム」ってフィルターをみんなかけちゃってるから、気づかないんだよなぁ、きっと。現に自分もシンクロ体験するまで、そうでしたし(苦笑)
jes:ま、GPMがああいうゲームだからこそ、「ゲーム」っていうフィルターをかけちゃいけないだけかもしれんしな
TRY:うんうん
jes:つーかさ、逆にゲームだと思わないと、争奪戦(*21)怖さに女を殴ったりはせえへんよな?(爆)
TRY:…スゲぇ例え。でも、確かに。
雪:んー、結局、GPM世界の法則っていうのがキチっと出来てるんだよね
jes:GPMの世界にだけ通じる法則ってのがありますな
TRY:まぁ、そこが「GPMはやっぱゲーム」てコトの証明なんだろうけど
雪:色々試すのと、それにちょっと想像力を駆使してロールプレイ、もしくはシミュレートするとその法則が見えてくる。で、その法則をプレイヤーはプレイヤーとして利用するのよ。PCとしてじゃなく。
jes:さっきのTRYの「使える技能を持ってるキャラと仲良くする」とか、「争奪戦怖さに殴って好感度を下げる」とかですな。
TRY:あ、なるほど
雪:そうしなきゃSランクだのなんだのは取れない
jes:そうだね
TRY:ぐ…
雪:だから、GPMって、CDの中に世界あるけど、その中に入り込めるけど、入ったままだとクリアできないんだよね。なりきってロールプレイしてちゃ、現実逃避をしてちゃその世界を救えない。パッド握ってGPMっていうゲームをやってるプレイヤーである自分に戻んないといけない。
jes:PBMプレイヤーに見習わせたいですな、そういうとこ(笑)
TRY:でも、醍醐味は入り込むとこにあるんじゃ…
雪:一回は世界の中に入り込まなきゃクリアの為に必要な世界の法則がわからないっていうのがミソですよ
TRY:あ〜、”いつまでも”してちゃダメってコトか
jes:入りこんで、なおかつ『抜け出さない』といけんつーことですな
雪:ゲームって、終わらせる為にやるわけじゃないですか
TRY:うん
雪:でも、面白いゲームって終わらせたくないですよね
TRY:言えてるなぁ(笑) 矛盾、ですね。
雪:もう、エロゲーなんかやってて、この娘と離れるなんて嫌じゃ、一生傍にいるんじゃ、クリアでハッピーエンドを迎えたい、だけどそうしたら別れなきゃ! ギニャ〜!! …という、ジレンマですわな
TRY:ぎゃひゃひゃひゃ!!(爆笑)
雪:そのジレンマをある意味ではGPMは解決してるんですよ。その世界を好きになって、救おうと思ったら、そこから出てってプレイヤーになればええって。
TRY:あぁ! 一度客観的見地に立たなきゃいけない、と
雪:「それが出来るとしたら、本来的な意味で幻獣にうらみをもっていない…そう、別の世界の人間だけだろう。」って。
TRY:そっか、HEROって、そういう意味なんだ〜。深いなぁ〜。
jes:滝川(*22)の、「お前、どこから来たんだ?」つーのもありましたな。俺は「別の世界から」と答えた人間ですが(笑)
TRY:「○○地方」(苦笑)
jes:正直者め(笑)>TRY
TRY:いきなりそんな覚めた目でゲームを見れませんよ(苦笑) あ、雪ちゃんは?(どきどき)
雪:「別の世界」
TRY:ギニャ〜! …もういいです、ぼくなんて。
jes:「それが世界の選択である」つー台詞から考えて、そう答えてしまったけどなあ(笑)
雪:ゲームをプレイして、入り込むだけハマっても気持ち良く終えられるようになってるんやねぇ。
TRY:あ、もう一方の方法ですね? 法則を見つけるための。色々試すっていう…>ハマっても気持ちよく〜。
雪:うん。ていうか、普通、世界とか物語のあるゲームにハマったら、入り込んじゃうでしょう。それを否定してるわけじゃないんですよ。むしろ、入りこんでもらわな困る。でもね、出てこないでいられても困るわけですよ。色々と(笑)
TRY:そうですねぇ。入り込むのが、楽しいんだから。
雪:でも出てきてもらわんと次のゲーム買ってもらえないし。
TRY:たはは(苦笑)
jes:いつまでも夢を見ていたい人間は、「続編」を買うかもしれませんけどね。
TRY:でも、入りこんで出て来ないってのは、ある意味「理想のゲーム」ですよね。
雪:UOとかだったら、それでも接続料とかで稼げるけど。
jes:そうやな、そこがオンラインゲームの一番のシノギやろね
雪:あとさ、終わらない夢、終わらない物語って理想だけど、怖くもあるんだよね。
TRY:現実に帰ってこれない、と。ピーターパンやアリスにも終わりが在る様に、なのかな。…ちと違うか。
雪:あと、UOみたいに対人で無限に広がっていくならまだしも、そうでないゲームって終わりが無くても飽きるじゃない。ずーっとやってたら、きっとね。まぁ、ネットハックとかは怪しいけど(爆)
jes:マインスイーパーも飽きないですなあ(笑)
jes:後、ティル・ナ・ノーグ(*23)とか(笑)
TRY:ま、ティルナとはNHは似た者同士…かな?
雪:まぁ、なんにせよ大概のゲームって終わりがあるわけだよね
TRY:ですねぇ。
雪:クリエイターは楽しませようとしてゲームを提供するわけだけど、楽しければ楽しいほど終わりが切ない
TRY:そりゃま、勿論。思わずもっかいやったりして。YsII とかそうでした。
雪:そうなってくると、楽しませるはずのゲームなのに、のめり込めて楽しければ楽しいほど終わりで嫌な思いを味わうことになっちゃう。
TRY:嫌、かなぁ? 名残惜しさ、じゃないですか?
雪:うん、名残惜しさやね。でもさ、そこを思いっきり強調してやると、すげえ後悔を味合わせる事が出来たいするわけですよ
jes:(にやにや)
雪:こんなゲーム、やらなきゃよかったのにっていう
TRY:…そこまでいきますかね?
雪:いや、某エロゲー(*24)なんですがね
TRY:そのゲームが、余程、好きだったんですねぇ。
雪:好きっていうか、あれは…
jes:(にやにや)
雪:あぅー、にはははははは
jes:さて、話を戻しますか(笑)
TRY:そこまでPLに言ってもらえりゃ、クリエイター冥利に尽きますよ。嫉妬すんなぁ、そこの会社。
jes:だけど、GPMはそうじゃなかった、とゆーことですな。
雪:そうそう。着眼点は同じだけど、全く逆だよねっていう。こういうふうなゲームの終わりへのPL心理を見据えたゲームって、その某エロゲーに限らず結構あるんですよ。大概、強烈に切なくてある意味とてもヤな想いを味合わせてくれるんですが。
TRY:それでそれで?
雪:でもその切なさの先にゲームの行き着く先としての表現が待ってるのかなって思ってたんですよ。
TRY:それこそ製作者が意図してる点かな、なんて(笑)
雪:当然、某エロゲーとか、その切なさで泣かせようと意図して組んでるんですよ。しかし、GPMは同じ視点から別アプローチで終わりが切なくない、辛くない、楽しいというゲームを見せてくれたわけで。目から鱗落ちて、そういう点でも俺はGPM面白かったっすねぇ。
TRY:ふ〜む。ふむふむ
雪:楽しければ終わりが辛いって、それ人生そのものでもあるし。終わる為にゲームをプレイが、死ぬ為に生きる、と対応してるとか。そういう話をやるのにゲームって形式はすげえ合ってるんですよ。
TRY:…僕はまだ完全に解いてないんで言えないんですけど、jesさんはその点をどう考えてます?
jes:んー…某エロゲーはつまんなかった。GPMは面白かった、以上。
TRY:………
jes:いや、ゲームを否定的に見せてくれるよりも、肯定してくれたほーが良いっつー意味で、ですね。
TRY:ん〜…なんか釈然としないけど。まぁ、そういうことですかね。